Web文章ではもはや適度な改行が常識となりつつある。

逆にやたら長いくせに改行の無い文章に対して、世間の目は冷たい。

 

常識がない

自分勝手、ナルシスト

仕事ができないタイプ

恋愛もHも下手そう

 

とまあ、ボロクソな言われようである。

 

しかし考えてみて欲しい。もしあなたが会社で憧れている異性の先輩から、ある日メールを貰ったとしよう。

 

ドキドキしながら開いてみたらやたら長文。しかも改行が無い。

 

あなたは「こんな改行もない長文メールを送りつけてくるなんて、なんて常識の無い人だ!」などと考えうんざりしてその文章を読むのをやめてしまうだろうか?

 

ズバリ、そんなわけがない。

 

それ所か、一文字一文字見落とさないように、注意深くその文章を目で追うだろう。

 

しかしWeb上のブログなんかで改行の無い長文を見かけたら、あなたはどうするだろうか。

多分、少し目を通しただけで苛々して、そしてそのサイトを去るだろう。

 

一体何が違うというのだろうか?

 

理由はたった一つである。

 

Web上で見かける殆どの文章は、多くの場合あなたの人生にとって何の関わりもない、どうでもいい人間が書いたものだからだ。

 

そして人はどうでもいい、よく知りもしない人間が書いた文章を、「この人はどんな意図でこの文章を書いたんだろう?」などと思いを巡らせながら読んだりしない。

 

せいぜい、「面白そうだったら読んでやってもいいが・・・」的な上から目線スタンスだ。

 

Web文章というのは、そういう読者達を日々相手にしている。

だからこそ、Web文章には改行が必要なのである。

 

Webサイトを訪れる多くの一般的な人達の目の動きは、通常、アルファベッドのFの字を書くようにして移動するという。

まず、左から右へ一回。

次に一段か二段下りて、また左から右へ一回。

最後は縦に一回。これでFの字が完成。ここまでの時間は凡そ数秒。

ここでこれ以上読む価値が無いと判断したら、そこで訪問者は離脱する。

 

離脱して欲しくないのだ。最後まで読んで欲しいのだ。だから、改行する。

改行する理由は、たったそれだけだ。

 

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なぜ改行の無い文章は読み辛いのか?

 

改行が大事なのではない。改行された文章の右側の空白部分が大事なのだ。

 

では、なぜ改行の無い文章が読み辛いのか?

 

それは、読んでる途中で休むことができないから。

 

そりゃそうだ。改行の無い文を読んでいる途中で、つい一息入れようとして目を離そうものなら、いざ再開する時どこまで読んだのか分からなくなって、下手したらまた最初からその文を読む羽目になる。

人は誰だって歩くと疲れるし、喋ると疲れる。読むのだって同じだ。

正座して気合いを入れないと読めない文章より、一息付きながら読める文章の方が読者への負担は遥かに少ない。

読み手は読んでる途中で休めるか?

これは文章を書く人間が書き終わった後自分の文章を読み返してみて自問しなければいけない、重要な質問だ。

 

極端な話、全文に改行があると一行ごとに読者は休める。

 

つまり、休みながらダラダラ読めるということ。

しかも、どの段落で休もうと読者の自由。

これがWeb文章の形と思う。

甘やかしすぎ?

そうじゃなくて、Web文章は本とは根本的に違うと思うから。

 

読み手がWeb文章を読んでいるシチェーションを想像してみるといい。

読み手はソファやベッドの上で横になりながらダラダラスマホを弄っている内に、偶然そこに辿り着いたかも知れないし、

或いは仕事中にこっそり一息入れようとして辿り着いたのかも知れない。

ただ一つ言えるのは、そこには本を買ってきて読む時のような、Web文章を読むための明確な理由など読者には存在しないということ。

流し読みに対応

Webでは主に飽きっぽい人や時間の無い人、移り気な人など多種多様な人達が訪れるのだから、書かれる文章が流し読みに対応してないといけない。

流し読みっていうのは文章を”読む”というよりも、どちらかと言うと”目で追う”読み方

マンガなんか読んでても途中展開がダレてくると、パラパラとページを捲って早送り感覚で先に進めたりする。あれと一緒。

流し読みに対応した文章にするには、

 

1.せめてここだけは!という箇所を太字にすること

2.どうでもいい言い回しや無駄な段落はなるべく排除すること

3.全文改行すること。改行しないとそもそも流し読みに対応できない。

 

勿論、文章を書く身として本当は流し読みなんかして欲しくはない。

ただ、全部読まれずに途中で帰られる位なら、流し読みでもいいから最後まで読んで貰えた方が遥かにマシ。個人的にはそう思う。

 

あなたもそう思いませんか?

 

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人はそもそも文章を読むのが嫌い

これはもう、疑いようのない真実。

マンガと小説、どっちが沢山売れてるかを見てもそれは明らか。

そもそも売り上げ数の桁が違う。

勿論、文章を読むのが楽しくて楽しくて仕方がないなんて人も稀にいるが、それは「私は勉強するのが死ぬ程好き」という生徒がたまに学校のクラスにいるようなもので、単なる少数派の参考意見にすぎない。

 

みんなできれば文章なんて読みたくない。そう思ってる。

 

改行が無い文章を読むとイラッとするのは、ただでさえ読むのが嫌いな文章を、より読み辛くしている事が腹立たしいのである。

人がもし文章を読むのが大好きなら、そもそも改行のある無しなんて最初から気にならない筈だ。

そして、どんな文章でも一通りスラスラと読んでしまう筈だ。

 

人は本質的に、みんな文章を読むのが大嫌い。

 

もっとも、好き嫌いに拘わらず生活していくためには文章は読まないといけないわけだが。

だからこそ多くの人は、改行が無い、専門用語が多いといった、”読ませる工夫のない文章”に憤りを覚えるのである。

 

「ただでさえマズい飯を、よりマズくしやがって」と。

最後に

「改行ばかりの文章は心が込もってない気がする。改行が無い文章の方が、熱い思いを読者により伝えられる気がするんだよ」

 

昔、こんなことを言ってきた人がいた。

確かに言いたい事は分かる。

改行の無い文章にも良さはあるし、読者が入ってきてくれるのなら寧ろその方がいいのかもと、そう思う事は自分にもある。

 

だが、Webからやってくる読者が必ずしも”熱い思いを綴った文章”を読みたいと思ってるとは限らない。

 

そして繰り返しになるが、Webの読者は書き手のパーソナリティにさほど興味がない。

 

だったら、まずは最後まで読んで貰える文章を目指した方がいいんじゃないかと。

そしていつか、固定の読者が付いて、書き手の熱い思いを受け止めてくれると自信が持てるようになったら、その時は好きなスタイルで書いたらいいんじゃないかと。

そんな風に個人的には思ってる。