「只今のプレー、リプレイ映像検証の結果、コリジョンルールを適用しセーフとします」
今年5月11日の阪神ー巨人戦で、杉永責任審判はマイクで観客席のファンにそう説明した。
コリジョンルールというのは今年からプロ野球に新たに導入された、平たく言うと選手同士が衝突して怪我しないようにと設けられたルールで、勿論プロ野球好きである自分も当然ながら知っている。
だが今日言いたいのはコリジョンルールの是非とか、そういうことではなくて、
何でコリジョンルールを客席のみんなが全員知ってることが前提の場内アナウンスなの?
という事。
プロ野球が一般女性に嫌われる理由
凡そプロ野球というスポーツは特に女性にはなかなか理解されないスポーツである。
理由としては、
ルールが分かり辛い
何やってんのかよく分からない
いつも同じようなチーム同士が試合していて退屈
ダラダラ10時過ぎまでやられて見たいドラマがなかなか始まらず、迷惑
サッカーと違い、かっこいい選手が少ない
まあ、最後の方は熱心なプロ野球ファンからしたらややイラッとくる意見ではあるが、何れの意見も世間一般の女性からよく聞くものだ。
実際私はというと、マニアという程ではないがプロ野球中継を見るのは非常に好きで、試合の無い日なんかは何だかちょっと空しい気分になったりしてしまう。
だがそんな私から見ても、世間のプロ野球嫌いな女性が言う、彼女らがプロ野球を嫌いな理由はどれも頷けるものばかりだ。
なぜ彼女らはそこまでプロ野球が嫌いになったのだろうか?
昔、一緒に暮らしていた女性が、ある日別れ際に私に言った言葉が私は今でも忘れられない。
「あなたがプロ野球をTVで見るのが好きだから、私は今まで見たいテレビも我慢してずっとあなたの見てるプロ野球中継に我慢して付き合ってきた。でも、一つだけ言わせて。今まであなたと一緒に何百試合もプロ野球中継を見てきたけど、未だにプロ野球のルールはさっぱり分からないし、プロ野球って面白いな、なんて思ったことも一度もないわ」
もう、愕然としたね。
そして、今まで彼女に対して自分がしてきた事の身勝手さに、申し訳なさで胸が一杯になった。
彼女は言った。「今まで何百試合も一緒にプロ野球中継を見てきたけど、未だにプロ野球のルールはさっぱり分からない」と。
これは本当にその通りなのだ。
はっきり言って、今のプロ野球中継のスタイルは、あまりにも野球初心者を置いてけぼりにしている。
「ああー、インフィールドフライです」
「ここでエンドランが見事に決まりました。カウントを悪くした結果ですね」
「これはオブストラクションを取られそうです」
少しはプロ野球のルールを全く知らないで中継を見ている人もいるという事も考えて実況できないものだろうか?
だが悲しいかな、プロ野球中継は今も昔もこんなスタイルなのである。
はっきり言って、「野球知らない初心者は見るな」と言ってるのと一緒。
そして多くのプロ野球ファンも大体がそんなスタイル。
「ねえ、エンドランってどういう意味?」
「ああ? だから盗塁とヒッティングを同時に指示する作戦だよ。今いい所なんだから少し黙っててくれよ…おお!鳥谷打ったー!」
みたいな酔っ払いオヤジスタイル。
そして審判もまた同様。
冒頭で挙げたみたいな、「コリジョンルールを適用したからセーフなんだよ」的な説明で見ている人はみんな理解してくれると本気で思ってる。
はっきり言って、こんなんじゃプロ野球の人気なんて落ちていくのが寧ろ当然だと思うよ。
そりゃあ視聴率も下がって地上波からも締め出されるわけだ。
プロ野球よどこへ行く
最近じゃ女性ファン獲得のために各球団色々イベントを開催したりしてるみたいだけど、そんな事よりもプロ野球関係者がまずやらないといけないのは、プロ野球のルールをもっともっと分かりやすく一般の人に知って貰う努力なんじゃないの?
はっきり言って、誰もそういう努力してないよ。今のプロ野球界。
ただの野球好きなオッサンと一部のマニアな女子の集まりでしかない。
繰り返すが私はプロ野球中継を見るのが大好きだ。
だが同時に、そうやって初心者をないがしろにして玄人だけが楽しめればいいや的な身勝手なプロ野球中継にはもう辟易する。
プロ野球を見にきてるのは何も野球歴ン十年とかの玄人ばかりじゃない。彼氏や旦那や子供が好きだから、本当は興味無いけど仕方なく来ている女性もいれば、興味はあるけどルールがよく分からないなんて人もいる。色んな人が野球場に集まってるわけだ。
なのにあんなぞんざいな審判の説明があるかって。
そんなプロ野球でいいなんて思って貰っては困るんだよ。
もっと、もっと考えていかないと。これからのプロ野球の在り方について。
もう昭和の時代みたいに、何も考えずにプロ野球中継だけ流してれば視聴率取れる時代じゃないんだから。
日本国民に政治や経済をぐっと身近なものにしてくれた池上彰さんみたいな人が、プロ野球の世界にも必要なんじゃないの?
本当にそう思うよ。
つい先ほど、付き合ったばかりの彼氏と野球で喧嘩しました。
彼はプロ野球観戦が大好き。
私は全く興味がない。
彼が野球観戦してる間は他の事してるから気にしないで楽しんでね!と言ったら怒られました。
一緒に楽しみたいと。
でも、無理矢理付き合ってイライラするの嫌なんです。他の事して過ごすのはそんなに悪いんでしょうか?
ゆうさん、コメントありがとうございます。
昨日、という事は恐らく今週から始まったWBCが原因で喧嘩してしまったんですね。
私も野球は昔ほどではないにせよ、嫌いではないので、その野球が元でせっかく付き合ったばかりの二人が喧嘩してしまうとは何とも心苦しい限りです。
WBCというのはサッカーのワールドカップの野球版で、サッカーと同じく世界一を決める4年に1度の野球の祭典なんですよ。
普段サッカーなんか観ないという人でも、ワールドカップの日本代表はついついルールをよく知らなくてもみんなTVの前で応援してしまいますよね?
恐らく、彼氏さんもそんな感じでワールドカップみたく、ゆうさんと一緒に日本代表チームを応援して盛り上がりたかったのでしょうね。何せしつこいようですけど4年に1度ですから。
これがもしWBCの試合ではなく、3月下旬から始まるペナントレースの試合だったら、恐らく彼氏さんもそこまでゆうさんと一緒に観戦する事にこだわらなかったのではないでしょうか。
とは言え、野球に全く興味が無いのに無理に野球観戦に付き合う必要は全く無いでしょう。
私も野球が好きだからこそ、野球が受け入れられない人の気持ちもよく分かるつもりです。実際私も野球を1回から9回まで全部集中して観てるわけじゃないですから。野球って最初から最後まで観るの、しんどいんですよ(笑)
だからゆうさんも無理して野球を好きになろうとか思わないでください。
ただ、何度も言うようで申し訳ないのですが、WBCは4年に1度の祭典なので、もし日本が準決勝あたりまで行ったら、気が向いたら彼氏さんと一緒に観てみてください。
あの愛子様が野球に興味を持ったのも、2009年に行われたWBCの日韓戦で内川選手のスライディングキャッチを観たからなんですよ。
そうやって普段野球に興味の無い人でも野球がほんのちょっと好きになれる、それが世界大会のいい所だと私は思うんですね。
勿論、気が向いたらでいいですからね。