今年の4月14日に発生した熊本震災は九州に、いや日本全土に大きな爪痕を残した。
未だに避難所暮らしの方々の不便さや生活の苦労等を思うと、何とも居たたまれない気持ちになる。
所で今回の熊本の震災では、阪神大震災や東北震災の時にはあまり報道されなかった、あるニュースが一時大きな話題となった。
それは車中泊で生活していた被災者が、ある日突然命を落とす、車中泊死だ。
原因は静脈血栓塞栓症、いわゆるエコノミー症候群である。
長時間同じ姿勢を取り続ける事により静脈に血栓が生じ、結果肺に血液が行き渡らず、最悪の場合呼吸困難を起こし死に至るのだという。
このエコノミー症候群で亡くなった被災者の数は、今回の熊本震災で震災関連死した18人中6人。全体の3分の1にも及んでいる。
エコノミー症候群については
・ずっと同じ体勢でいない
・こまめに水分を補給する
・体を圧迫する服装をしない
・一日に数分でも歩くようにする
といった方法で予防もできるため、被災地を支援する団体等は車中泊する被災者に注意を呼び掛けている。
しかし、いくら同じ体勢で長時間生活していたとは言え、こうも同じ時期に多くの人がエコノミー症候群で亡くなるものなのだろうか。
それに、長時間同じ体勢でいるのが危険と言うが、作家のように、仕事上の都合でやむを得ず長時間同じ体勢で過ごしている人など、幾らでも居そうな気もするが…
エコノミー症候群で死亡の例
探してみると、こういうケースが目立った。
国際ニュース:AFPBB News
ガジェット通信
22日間ゲーム三昧の少年。エコノミークラス症候群で死亡。(露)
Techinsight|海外セレブ
これは何れも海外の痛ましい事故だが、日本でも同様の事故は発生している。
というか、1日15時間程度のゲームなら、過去の自分にも何度か身に覚えがあるのが悲しい。
若いとは言え、全くもってバカな事をしていたものだと思う。
それにしても、ほんの少し歩くだけでもこのエコノミー症候群、血栓症を予防できるなんて、つくづく人というものは活動しないと生きていけないのだなと感じる。
きっと神様が人をそう作ったのだろう。
辛い時も、空しい時も、自分がみじめでどうしようもなく思えてしまう時も、それでも人は歩いて、行動していかないといけない。そういうものなんだなと。
最後に、被災者の皆様が一日も早く普通の生活が出来るよう、影ながら遠くから、お祈りさせて頂きます。