前にボールペンレビューした中で、最もお気に入りだったフリクションボール。
このボールペンが気に入っている理由として、
●高級感あるデザイン
●他の価格帯のボールペンと比べ、適度な重さがある
●書き味はボールペンというより、シャープペン、鉛筆
というものがある。
文房具屋へ行くとボールペンはよくチェックするが、どうもチープなデザインのものが多い。
100円~200円の価格帯のボールペンだから仕方ないのかも知れないけど、このフリクションボールみたいにちょっとデザインをお洒落にしてくれたら、取り敢えず買って試すのに。
あと、重さも重要。はっきり言って他の100円台のボールペンはどれも拍子抜けする位に軽い。
軽い方が書きやすいと安易に考えるのもどうかと思うね。
適度な重量は物に高級感を与えるし、あまりにもチープで軽いボールペンで文字を書くと、なんだかそのチープさが文字にも伝染してしまって、妙に浮付いた文章を書いてしまいそうだ。
そんな理由からか、暫くの間ずっとこのフリクションボールで色んな文章を書いていた。
するとある日、ちょっとした事件が起こった。
久しぶりに以前メモしたノートを見直そうとしたその時・・・
何と、文字が消えてる・・・!
何てことだ! いくらフリクションボールは書いた文字が消せるのが売りだからって、勝手に文字が消えたらダメだろう。
幸いにも、文字跡がうっすらと残っていたため大事には至らなかったが、こういう事が度々起こるようじゃ、フリクションボールはもう怖くて今後使えなくなる。
だが、なぜ書いた文字が突然消えたのだろう・・・
メーカーに問い合わせしようと思ったが、その前に製造元であるPILOT社ホームページを確認。
すると・・・
フリクションボールの使用に関する注意書きが箇条書きで載っていた。
(1) 筆跡が乾いてから専用ラバーでこすると色が消えます。
(2) 書類・宛名など消えてはいけないものには使用しないでください。
(3) 直射日光の当たる場所や、高温になる場所に置かないでください。60℃以上になるとインキが無色になります。
(4) -10℃前後になると消去した筆跡が戻る場合があります。
(5) 紙以外への筆記には使用しないでください。
(6) 感熱紙など紙の種類や、印刷物の特性によっては消去に不向きな場合があります。
(7) 消去用ラバーに汚れがついたまま擦ると、紙面が汚れます。ふき取るなど汚れを落としてからお使いください。
(8) マークシートには使用できません。
http://www.pilot.co.jp/support/frixion/1297051945882.html
参考 PILOTホームページ「正しくお使いいただくために」より
何だか、まるで精密機械の取り扱い説明書みたいな注意書きの多さだ。
最新技術とは得てしてこういうものなのかも知れないが。
さて、この注意書きの中で気になったのが、(3)の、
直射日光の当たる場所や、高温になる場所に置かないでください。60℃以上になるとインキが無色になります。
というやつ。
実は、これに思い当たるフシがあった。
私の作業机には白熱電球のスタンドがあり、当然ながら夜は常時稼働している。
この白熱電気スタンド、触ると本当に熱い。火傷しそうな位。
そして例の文字が消えたノートは、いつもこの電気スタンドのすぐ近くに置いてあった。
まさかこれが原因・・・?
そこで実験してみる事にした。
1.先ず、フリクションボールで紙に文字を書く。
2.これを↓のように白熱電気スタンドの熱が直接当たるようにして置き、暫く放置する。
3.放置すること凡そ20分。すると・・・
見事に消えてる!
成程、つまりノートの文字が勝手に消えたのは、私が書いたノートをちゃんと然るべき場所に保管せず、白熱電球の真下に適当に置いておいたため、ノートが熱を帯びて一部の文字が消えたと。
良かった・・・PILOTに問い合わせする前に気付いて!
だがこれで一件落着・・・とはいかない。
だって、こんな白熱電球をスタンドとして使ってる家なんて、探せば結構あるだろう。
それに、60度以上の場所がダメだと言うのなら、夏の車のダッシュボードなんかの上にノートを置いておいたら、下手したら書いてある文字が全部消える恐れもあるわけだ。
それがもし大事なメモ書きだったとしたら・・・
うーん、PILOTさんには悪いけど、これじゃあまだ鉛筆で書いてた方が信頼度は上だ。
少なくとも鉛筆で書いた文字は、どんなに高温になろうと勝手に消える事はない筈。
そもそも消える事にこんなにビクビクしなきゃいけない時点で、既にボールペンのメリットは全て失われてしまっている気がする。
結論から言うと、消せるボールペンという画期的なアイデア商品は、ちょっと今現在使い所が見つからない。
書き味は悪くないしデザインはいいし、そのコンセプトも賛同できるものではあるんだけどね。
これから更なる品質改良をして、もっと安心して使えるボールペンとしてパワーアップして再登場して欲しいなと、そう願ってやまない。