れから静岡の観光記を書くのにのっけからこんな事を言うのは恐縮だが、

 

名古屋が大好きである。

 

もう、名古屋が好き過ぎてかれこれ20回以上は行っている。

そんな名古屋好きの私にとって、静岡は本当に邪魔な県である。

何せ新幹線を使わずに私の済む横浜市から鈍行の東海道線で名古屋まで行こうとすると、ほぼ移動の8割が静岡の旅となる。

一体どれだけ広いんだ静岡県。

 

熱海、沼津、富士宮、清水、静岡、焼津、掛川、浜松

 

この、どうでもいいような街を延々とひたすら通り過ぎていくだけの修行のような東海道線の旅がたまらなく辛い。

もう、俺は名古屋に行きたいだけなんだよ。なぜすんなり名古屋に行かせてくれないのか。

そんなわけで静岡に対する私の印象はもう、最悪である。

だがある日ふと思った。

これだけ静岡をボロクソに言う私だが、そんな私は静岡の一体何を知っているというのだろうかと。

せいぜい熱海の温泉地と伊豆のデートスポットと富士宮焼きそば位しか知らない。

そもそも熱海や伊豆は静岡県の一部には違いないが、別に静岡を代表しているわけではない。

川崎市や大宮市と同じで、大した独自の魅力も無く、単に立地が東京に近いという理由だけでかろうじて栄えているだけの街ではないか(偏見)

それに比べて静岡市はどうか。

神奈川県、愛知県のちょうどど真ん中に位置する、謂わば王道と言える場所に拠点を置く、正に静岡の首都であり、静岡県そのものと言えよう。

今まで何十回も名古屋へ行っておきながら、この静岡市で降りて観光しようと思った事が今の今まで一度でもあるのか。いや、無い。

そこで今回は今までスルーしてきた静岡をもっと知るために、静岡観光を計画する事にした。

メインの拠点は勿論、静岡市。

決して富士市や浜松市、熱海市などではない。

さて、静岡市を拠点に決めた以上、観光も静岡市から車で数時間圏内の場所に限られる。

初日はどこへ行こうか迷った挙句、静岡市から車で2時間程度の場所にある寸又峡周辺に決めた。

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天気が悪いのは予め天気予報で確認していたので分かっていた。

後はどれだけ空が持ってくれるかどうかと、静岡がどれだけ私を歓迎してくれるかどうかの問題だ。

AM6時に清水ICを降り寸又峡を目指す途中の空がこれ。

もう、この先不安な予感しかしない空だった。

しかも山道の道の狭さ、カーブの多さはこれまでに北海道や北陸、東北の山道運転に慣れているこの私ですら不安になる程。相当注意して運転しないと危険と感じた。

しかし何とかAM7時30分頃に寸又峡付近へ到着。

途中寄った長島ダムの姿が予想以上に雄大だったため、思わず車を降りて記念撮影。

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上の写真で見えているダムの手前の橋が↓

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飛沫(しぶき)橋と言うだけあって、撮影中に水しぶきが飛んできてカメラが心配になったので、早々に退散する事にした。

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AM9時半頃に寸又峡温泉へ到着。

意外な程(?)綺麗に整った観光地だった。

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寸又峡温泉から更に30分程歩くと、夢の吊り橋に到着。

吊橋もそうだが、その湖のあまりの艶めかしいエメラルドグリーンに絶句する。

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ギシ、ギシと恐る恐る吊橋を渡っていく途中、下を見下ろすとこんなものが。

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水辺の至る所にスマホの残骸があるのが確認頂けるだろうか。

そう、吊橋の上で調子に乗ってスマホで写真を撮りまくった挙句、橋下にスマホを落としてしまったアホ共の成れの果てである。

旅行気分で浮かれて調子に乗るからそうなるといういい見本であろう。

しかし浮かれるその気持ちも多少分かる。

それくらいスリルがあり、かつ美しい景色の吊橋だった。

意外とまだこの場所を知らない人は多いのではないだろうか。

まだ行った事が無い人は是非とも一度行って欲しい。

それくらいの価値のある場所だ。

 

と、ここまで書いておいて今更言うのも何だが、

 

寸又峡は静岡市でも何でもないというそもそもの話。

 

偉そうでぞんざいなタイトルを付けた手前、少々心苦しい気持ちもあるが、しかし寸又峡が静岡市から(割に)近い場所にあるのは事実なので、そこは何とか勘弁願いたい。