もしあなたが横浜市快適に便利に、しかも落ち着いて住める場所を探しているのなら、反町駅と仲木戸駅はきっと候補に入れる価値はあるだろう。
東京への移動も念頭に入れているのなら尚更だ。
もっとも、私はあなたが何を基準に”住みやすい”、”住みにくい”の判断をしているのかは当然ながら知らない。
因みに、私が考える”住みやすい街”の基準は以下の通り。
1.交通の便がいい街
私の経験上、交通の便の悪い街に住んで長続きした試しがない。
家を買ってしまった等、やむを得ない事情でもない限り、交通の便の悪い街に住む理由がそもそも無い。
また、交通の便がいくら良くても、一つの鉄道しか移動手段が無いような街もなるべく止した方がいいだろう。
例を挙げると、地下鉄ブルーラインの三ツ沢上町駅。
横浜駅から地下鉄線で二駅と、一見立地が良さそうに見えるが、いざ住んでみるとどこに移動するにもこのブルーラインを利用するしかなく、しかも周囲には大した店も何も無い。
住んでいて非常に閉塞感とフラストレーションが溜まる。いくら家賃が安くて環境も良くても、こんな街はなるべく避けるが吉。
2.日用品、食材の調達に困らない街
これは勿論、スーパーや八百屋、百均の事だが、数が少なくても例えば駅前等にしっかりそういう店が揃っていればOK。
また、幾ら近所にスーパーがあっても、それが成城石井だったりしたらそれはそれで問題だろう(成城石井ファンの皆様には申し訳ないが)
選択肢の一つとしての成城石井ならまだ分かるが、少なくとも日々の買い物が成城石井一択になるほど私の家計は豊かではないので。
3.坂道が無く、徒歩の移動でも息切れがしない街
これは軽く見てはいけない。
下見をしてみて軽い勾配の坂だから「これくらいなら平気平気」なんて思っていても、いざ住むとなると毎日その坂を上り下りする事になる。
あなたが体力に自信があるタフガイなら寧ろトレーニングにもなって一石二鳥だが、体力があまりなく、ましてや仕事でヘトヘトになって帰ってきて毎日坂を上るストレスをよくよく考えてみて欲しい。
これ位なら大丈夫と安易に思わず、是非帰宅ルートの勾配については入念に調査して欲しい。
4.帰ってきた感がある街
この項目を結構軽視しがちな人が多い。
もしあなたが若い人なら、自分の住む最寄り駅周辺も賑やかな方がいい、と考えてしまう気持ちも分かる。
だが冷静に考えてみて欲しい。
どんなお笑い芸人も、いつでもどんな時でもハイテンションなわけではない。
逆にいつでもどんな時でもハイテンションな人間が居たら、それはそれでただの頭のおかしな奴だろう。
人は開いてる時と閉じている時があり、その切替えこそ人生と言える。
遊ぶ時は綺羅びやかな街で。休む時は閑静で落ち着ける街で。
切り分けて生活した方がいいに決まってる。あなたもそう思うでしょう?
東急東横線・反町駅
横浜駅から渋谷方面を結ぶ東急東横線。
反町駅はその横浜駅から出発して一つ目の駅である。
乗車時間凡そ2分。
徒歩だと横浜駅から約15分。
まさに横浜駅から至近という言葉が相応しい駅である。
だが、横浜駅から至近かどうかは個人的に大して重要な事ではない。
JR東神奈川駅に至近である事の方が重要だ。
そう、この反町駅からJR東神奈川駅まで徒歩で約15分。
横浜駅と大して変わらない場所に、JR京浜東北線根岸線、そして同じくJR横浜線への乗り換えの役割を果たす東神奈川駅がある。これが重要な事なのだ。
つまり反町に住めば、東京方面に出るのに横浜駅を経由せずに行けてしまうという事。
反町に住む際に、横浜駅よりも東神奈川駅が重要な理由がもう一つある。
それは、その道のりだ。
反町駅から横浜駅、東神奈川駅までは共に徒歩15分程度だが、その道のりには大きな違いがある。
反町駅から横浜駅までを最短ルートで歩くと、どうしても国道1号線沿いを歩く事になるが、このルートは線路沿いで起伏が激しく、そして道も細く歩き辛い。
加えて夜は人通りも少なく、危険である。
↓写真の右側が反町駅~横浜駅を利用する際の歩道。線路沿いの歩道は実に狭く、歩行者同士のすれ違いですらギリギリ。もう少しなんとかならないのか。雑草も歩行の邪魔で仕方ない。
↓それに対して反町駅から東神奈川駅の徒歩ルートはほぼ平坦で道も広い。しかも夜まで営業している店も多いため、人通りも多い。
このように、同じ徒歩15分でも実際に歩いてみるとえらい違いなのだ。
そもそも何で反町駅から横浜駅や東神奈川駅まで歩く必要があるのか?という意見は取り敢えず置いといて、反町駅から横浜駅までの徒歩ルートには、同じ15分圏内でも東神奈川ルートの方がメリットが多い事は覚えておいた方がいいだろう。
反町駅周辺の特徴
横浜駅から一駅目の駅を、JR線以外の路線で比較してみる。
先ず、京急で言うと戸部駅、神奈川駅。
相鉄線で言うと平沼橋駅。
地下鉄ブルーラインで三ツ沢下町駅、高島町駅。
みなとみらい線だと新高島駅。
言っちゃ悪いが、はっきり言ってどこもシケた街ばかりである。
そんな中で反町駅周辺は明らかに上記の街とは違う。
下町には違いない。それは認める。
決して綺麗な街でもない。それも認める。
すごく繁盛している街でもない。それも事実。
だが、生活に必要な店や施設が、反町という街の中にバランスよく配置され、そしてそれぞれがきちんと街という形で機能している。それが反町という街。
スーパーで言うなら、反町駅から国道1号線沿いに10分位歩いた先にあるビッグヨーサンの価格の安さはその中でも群を抜いている。
肉のふくとみで何やらおばちゃんに注文している女子高生。
どうやらポテトフライを注文していた模様。何気に有名なのかな。
反町公園の存在もまた見逃せない。
いくら便利な街でもこういった公園で自然に触れ合わない日々を送っていると、すぐに心が廃れてしまう。
健全な生活には緑色は不可欠でしょう。
京急本線・仲木戸駅
JR東神奈川駅に近いメリットについては先程書いた。
そこでこの、京急本線・仲木戸駅。
京急本線で横浜駅から品川方面行き普通列車で二つ目の駅である。
そしてこの駅のもう一つの特徴は、JR東神奈川駅との距離だ。
仲木戸駅を降りて東神奈川駅の改札までの時間、凡そ徒歩30秒である。
もはや東神奈川駅そのものと言ってもいい位。
つまり仲木戸駅周辺に住むという事は即ち、東神奈川駅周辺に住む事でもある。
東神奈川駅直結のシァルプラットには、カフェ、飲食店、TSUTAYA、スーパー等が一通り揃っている。
TSUTAYAが改装前と比べてスケールダウンしたのが何とも残念ではあるが。
東神奈川駅西口にはイオン東神奈川店がある。
上記のシァルプラットとイオンがあれば、日常生活の買い物に困るシーンなどほぼ皆無だろう。
仲木戸駅周辺の特徴
東神奈川駅側は分かった。
じゃあ、肝心の仲木戸駅側には何があるのか。
そう言われると実は少しトーンダウンしてしまう。
実際、仲木戸駅から海側はこれと言ったものが何も無いのが現状なのだ。
しかも、何も無いだけならまだしも、海沿いに首都高が通っているため、やたらうるさい。
しかし、だからと言って結論を出すのは少し待って欲しい。
実はこの海沿いにこそ、仲木戸という街に住むメリットがあるのだ。
伝わるだろうか。この海沿いの下町ノスタルジー感。
決して騒がしいだけの街ではない、故郷を思い出すノスタルジックさがあるのである。
それも、この懐かしさ具合は横浜の他の海沿いではちょっと味わえない位。
このまま横浜中央市場まで歩けば、更にその感慨に浸れる事請け合いである。
言いたいのは、これが横浜駅から京急本線で二駅目のこの仲木戸駅で味わえるのである。
更に中華料理屋、ラーメン屋が多いのもこの周辺の特徴。
特にこの吉田大飯店はリーズナブルな料理を大盛りで提供する、大食い野郎にとっては実に貴重な店。
他にも大勝軒神奈川新町店も徒歩圏内。
先程も書いたが、近隣を走る首都高がクソやかましいため、場所は確かに念入りに選ぶ必要はあるし、車の騒音が苦手な人には確かにこの仲木戸駅周辺はちょっと厳しいかも知れない。
だが、それを置いても東神奈川駅周辺の利便さと、この仲木戸駅周辺のいかにもな独特の下町感、何より横浜駅までも首都高沿いを徒歩20分程度で行けてしまうその立地。
それを考えるとやはり反町駅のライバルはこの駅だと思わざるを得ないのだ。
実際、もし私が横浜に定住するのならこの駅は候補の一つには必ず加えるだろう。
まとめ
今回紹介した反町駅、仲木戸駅は共に横浜市神奈川区。
横浜駅からこれだけ近いのに、桜木町や関内とは全く違う魅力を持つエリアだ。
よくテレビなどで紹介される、洪福寺松原商店街と併せて横浜三大商店街に数えられる六角橋商店街や大口商店街があるのもこの神奈川区。
派手さは無いが歴史が古く、何より歩いていて楽しい。
帰りたい街っていうのは、きっとこんな場所なんじゃないかと思う。
東神奈川駅という駅は、京浜東北線や横浜線を普段利用する人にとっては聞き慣れた名前だが、実際降りてみて歩いた事がある人は意外と少ないかも知れない。
そこでたまにはこの駅で下車して、仲木戸や反町を散策して見てはどうだろうか。
きっと気に入る、いい街だと思う。