ずっと好きだったあの子との初デート。
ようやく漕ぎ着けた初デート。
気持ちは高揚し、心拍数は否が応にも高まる。
さあ、プランを立てねば!
女性経験はやや乏しいが、根が真面目で研究熱心なあなたの事だ。
さぞ色んなデートプランを既に練った事だろう。
映画、代官山のカフェ、最近できたばかりのテーマパーク、ムードのいい公園。
初デートのプランを練るのは本当にワクワクして楽しいものだ。
だが、ぶっちゃけあなたのそんな練りに練ったプランなどどうでもいい。
私は今日、声を大にして言いたい。
「初デートは山に行くべきだ」と。
では、何故初デートが山なのかについて書いていきたいと思う。
その前にあなたはもしかしたらこんな事を言いたいのかも知れない。
「山って・・・僕は元々そんなに体力無い方だし、そもそも山なんて登った事もないんですけど・・・」
結構!それでいい!
山なんか登った事がない。素晴らしい!
きっとあなたも彼女も山なんて普段登らないし、それにどちらかと言うと歩く事すら苦手だし億劫だ。
だがそんな事は初デートで山に行く上で全く何の障害にもならない。
大体、これから紹介する山はそもそも真剣に登山を楽しむ人からしたら鼻で笑われそうな、「そもそも山と呼んでいいのか」と突っ込まれそうな位、初心者向けの山ばかりだから。
だからこそ初心者のあなたにもこうしてお勧めできるわけ。
初デートには登山が最も相応しい理由
ではまず、初デートで山に行くメリットから説明していこう。
1.思う存分会話ができる
2.結果、よりお互いを知り、親密になれる
3.お金がかからない
4.インパクトがある
5.各所であなたのセンスが問われる
では順番に見ていこう。
1.思う存分会話ができる
例えば初デートで映画を見る。いかにも誰でも思い付きそうで、かつありがちなシチュエーションだが、そもそも初デートで映画を見る事に一体何の意味があるのか。
よほどお互いの趣味がドンピシャで、かつ二人にとって相応しい映画が偶然上映されていたというのならまだ分かるが、そんな幸運が重なったわけでもないのなら、初デートで映画などそもそもあり得ない選択肢だろう。
大体、初デートという位なのだからお互いがお互いをまだよく知らない。
お互いをよく知るためには会話が必要だ。それも自然な会話が。
そのためには映画やゲーム、人混みなど、二人の会話を妨げる無駄な要素は極力排除すべきだ。特に初デートの場合は。
ではドライブならどうか。
これなら誰にも邪魔されずに二人っきりで思う存分会話できる。
ないないない!
初デートでドライブはあり得ない。と言うか、一番やってはいけない選択だ。
初デートでいきなり密室。彼女が引く。勿論それもある。
だがそれ以上に問題なのは、会話が途切れた時の立て直しだ。
ましてやあなたは運転中。そりゃそうだ、初デートで彼女に運転させるような空気の読めない男は一生彼女などできやしない。
彼女を隣に乗せて運転中に会話が途切れる。
運転にも集中しなくてはいけないあなたは、なかなか途切れた会話の軌道修正ができずにいる。
その内彼女は車の心地よい揺れと相まって、寝る。
結果、初デート台無し となるパターンは目に見えている。
その点登山はどうか。
例え途中で会話が途切れても、目的はそもそも会話ではない。山に登るという行為そのもの。
会話が途切れても全く不自然じゃない。寧ろ山に登っていると色んな事が有りすぎて、会話が途切れる方が自然とも言える。
全く相手に気を使わず、かつ自然に会話ができる。
話す内容も全く自由だ。映画だったら映画の話しかできなくなりがちだが、登山中なら別に登山の会話以外でも何の会話しようと全く不自然じゃないし、それも自然だ。
これが登山の素晴らしい所だ。
2.結果、よりお互いを知り、親密になれる
もう、表題の通りだ。自然に会話ができるんだから、そりゃあ以前よりより親密になれるのは間違い無い。
「あー、つかれた」
「じゃあ、どこかでちょっと一休みしようか?」
「あ、ちょっと待って。今どのへんなのかちょっと調べてみよう」
「すごい景色だねー」
会話が途切れても、こんなありきたりな会話で場を持たせられるのも登山の醍醐味。
しかもこれらの会話はより親密になれる要素満載なのだ。
更に、これは後で説明するが、最近の山は女性に優しい、設備の充実した山が多い。
かつ山頂や中腹には食事ができる施設や自販機、トイレなどもあったりして、こういった意味でもデートには非常に重宝するのだ。
3.お金がかからない
これも重要。初デートでいきなり高級レストランなんかに連れていっても彼女の反応は思ったほどでもない。これもよくある事。
奢ればいいってもんじゃない。
まだよく知らない人にいきなり高い食事を奢られたって、彼女からしてみたら結構なプレッシャーだ。
人は誰しも返報性の原理が働く。
いきなり彼女にそんな負い目を与えて良いデートなどになるわけがない。
その点、登山はかかる費用は山までの交通費と食事代、缶ジュース代、これだけ。
後はまあ、山によってはケーブルカー代とかもかかるが、そんなものは必要経費であって二人にとって全く違和感の無いものだろう。
かかる経費を必要最小限にする。それはケチだからではなく、彼女に対する気遣いからだ。
そういう、根本的な事が分かってないから、大抵の男は初デートで失敗する。
4.インパクトがある
初デートで山、これだけでも相当なインパクトだが、それだけではない。
山には普段都会では味わう事のできない、貴重な風景が目白押しだ。
例え仮にこの初デートが彼女との最初で最後のデートになったとしても、それでも彼女にはインパクトは与えられる。
これから二人が上手くいくかどうかは別の話として、山の良さを伝えられるのはあなたにとってもメリット大だろう。
「山って思ってたよりも、いいね」
彼女にそう言って貰えるのは、あなたにとってとても重要な事だ。
そしてそれはあなたの今後の人生にとってもインパクトとなる。
5.各所であなたのセンスが問われる
例えば高尾山を例に取ろう。京王線高尾山口駅から麓の入り口まで来ると、いきなりあなたはルート選択を迫られる。
いきなりケーブルカーで中腹まで行くか、それとも見晴らしのいい稲荷山コースを選ぶか、はたまた初心者、女性にも優しく、途中にトイレもある王道の表参道コースを行くか。
全てはあなたのセンス次第。
だが決して前もって予備知識を詰め込み過ぎてもいけない。
寧ろこういう時こそ積極的に彼女に相談し、一緒に悩んでみるというのも初デートの素晴らしい醍醐味というものではないだろうか。
だからあなたのセンスが問われると言ったのだ。
女性というのは決してあなたに単純な正解ルートへの導きを求めているわけじゃない。色んな事を話して、相談して欲しいと思っている。そしてできるなら一緒に自分も悩みたい、そう思っている。
女心を真に理解するためにも、あなたはここで安易にコースを決めてはいけない。
だがそれがまた楽しい。いいよね登山って。
おすすめの山
初デートにおすすめの山を幾つか紹介したい。
まず、高尾山。
これは文句なしにおすすめ。
とにかく標高599メートルと手頃だし、山頂まで早ければ2時間程度で到達できる。
しかもルートにもよるが道は舗装されており、綺麗なトイレや中腹には飲食店まである。こんな散歩感覚で登れる楽しい山もそう無い。
最近は有名になり過ぎて外国人観光客もかなり多くなったが、それでも混雑して登れないという程でもない。
初めての登山ならまずはここじゃないのかな。
次に、大楠山。
標高は242メートルと高尾山の半分以下だが、山頂までは2時間ちょっととけっこうそれなりに時間はかかる。
この山は登り始めが楽しい。ルートにもよるが、渓流沿いを歩いたり橋の下をくぐったりと、まあ何とも登山の楽しさを満喫できる。
JR衣笠駅から行くルートと、JR逗子駅からバスで行くルートがあるが、おすすめは逗子ルート。
ただ、設備はそれほど充実してる山じゃないので、ちゃんと食事や飲み物の支度はして出かけて欲しい。
服装は別にスニーカーにTシャツとかでも意外といけちゃう。まあ標高低いしね。
最後に、高麗山
出典:イソタビドットコム http://www.town.oiso.kanagawa.jp/isotabi/look/meisyo/syounandaira.html
JR平塚駅か或いはJR大磯駅から徒歩30分程度で麓までたどり着ける。
標高は168メートルと笑っちゃう位低いが、それでも山頂までは1~2時間程かかる。
湘南平を通るルートで行けば途中にテレビ塔やレストハウスもあり、何とも想像以上に「デートした感」が楽しめる。勿論、眺めも申し分なし。
最後に
初デートの時に一番大切なのは、自然体でいること。
きっとあなたも本当はそうしたい筈だし、何よりも相手もきっとそれを望んでいる。
気取る必要はない。背伸びする必要はない。したい気持ちも分からなくはないが。
自然のままのあなたでいて欲しい。
そして、ずっと一緒に居れるような、お互いの気持ちを忌憚なく言い合えるような、そんな関係になれたらそれ以上の事はないだろう。
山とは不思議な場所。
男と行っても、女性と行っても、親と行っても、あまり仲のいいとは言えない人と行っても、それなりに本音が言え、仲良くなれる場所。
きっと自然がそうさせるのだろう。
気取る事はない、いつもの自分でいる事が何よりも素晴らしい事だと、まるで自然がそう後押ししてるみたいだ。
もしあなたが初デートでどこに行くか迷っていたら、是非山に二人で行ってみて欲しい。
そしていつか結婚して時が経ち、夫婦生活にマンネリを覚えて、「何だか最近、上手くいってないなぁ」と思う時が来たら、是非またあの頃のように山に二人で行ってみて欲しい。
最近会話らしい会話なんて殆どしてなかったのに、山道で何気なく交わされる会話の数にあなたは驚くかも知れない。
「私達、色々誤解があったのかも知れないね」
きっとまた懐かしいあの頃の気持ちになれて、ホッと温かい気持ちになれる。
山はいつでもあなたと彼女を暖かく迎えてくれる筈だから。
追伸
今回紹介した山はどこも初心者中の初心者向けの山なので、服装とかトレッキングシューズとか別に気張って用意する必要はない。
でもまあ、デートなんだからそれなりにオシャレはしていった方がいいんじゃないかと思う。
あまりにラフでだらしない格好は嫌われる元となる。
これは山に行く時に限らず、どこへ行く時にでも当てはまる事。
身だしなみには十分注意しよう。
それでは、GOOD LUCK!!