にかく日本人は歩かない。

ちょっと歩くと「疲れたー」とか言って、すぐにバスやタクシーを使おうとする。

百歩譲って毎日の生活で電車を使うのは仕方ないとしよう。

しかし、電車を降りてまたすぐにバスやタクシーを使うのには理解し難い。

駅前のバスターミナルを見れば毎日長蛇の列。

一体人類はどうしてしまったのか。

「いやいや、うちは駅から家まで結構距離あるから。坂もあるし」

あなたはそう言うのかも知れない。

しかし私は敢えて言いたい。

「あなたが言う、その『結構な距離』とは何千歩のことですか?」

「歩いたら何分かかる距離なんですか?」

 

ほら、答えられないでしょう。

大体、私の経験上、バスを待ってる時間やバス停まで行く時間を考えたら、さっさと歩いて帰ったって時間はトントンなケースが殆ど。

要は歩きたくないだけ。

もしくは、「歩く」という選択肢にあなたが意図的に目を背けて生きようとしているだけと言いたい。

 

昔、加山雄三のゆうゆう散歩という散歩番組を見ていて、番組の最後にナレーターが言ったひと言に愕然とした事がある。

「今日も、さまざまな出会いがあった2000歩の散歩でした」

 

2000歩だと…?

 

2000歩っていったら距離に換算すると約1キロちょっと。

つまり、「ちょっと腹減ったなー」と近所のコンビニまでカップ麺とスナック菓子を買って帰ってきた程度の距離である。

言うまでもないが普通の感覚の人間はコンビニへ行って帰ってきたのを「散歩してきました」とは言わない。

別に番組を悪く言うつもりは毛頭ないが、「散歩」と言うのなら最低1万歩は歩いて欲しいものだ。

 

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ちなみに今日のブログはとても”ざっくり”している。

「だから何だ?」とか「そもそも何なのよ」と言いたくなる人も多いと思う。

しかしその分(?)内容はとても濃いものになっていると思うので、普段全くあるかない人もそこそこ歩く人もまたガッツリ歩く派の人も是非最後まで読んでいって欲しいと思う。

 

時間か? 歩数か?

散歩を語る上で重要なのが、歩いた「総時間」と「歩数」だ。

これはどちらも重要だ。

もちろん、どちらも気にせずひたすら楽しんで歩くというのもアリと言えばアリだ。

しかしやはりせっかく歩いたのなら、どのくらい歩いたのか、そして、自分はどのくらい歩ける人間なのかを知るためにも、データとしてしっかり把握しておくことは重要と思う。

しかしそうは言ってもいちいち万歩計持って歩くのも何だか面倒くさいし、それに健康オタクみたいでどこか格好悪い。

そこで、大雑把な目安だけ知っておこう。

 

5000歩 = 約3.5キロ = 約45分

1万歩   = 約7キロ   = 約90分

2万歩   = 約14キロ  = 約3時間

 

因みに、東京駅から桜田門を通って新宿駅まで歩くルートがおよそ7キロである。

つまり万歩計を見て1万歩歩いているのが分かったら、

「スゲー、オレ今日東京駅から新宿駅まで歩いちゃったよ」と喜べばいい。

2万キロなら東京駅から高円寺駅まで歩いたようなものである。と言っても恐らく殆どの人はピンと来ないだろうが。

 

おすすめ散歩コース

さて、今日の本題である。

ここまで付いてきてくれている皆さんは、恐らくは歩くことが好きか、或いは今は嫌いでも「もっと歩かないと」或いは「歩くことに意義を見出したい」、「もっと歩きたいけど…でも…」とか思っている人たちだろう。

そこでそんなあなたにとっておきのお勧め散歩コースがある。

 

タイトルはズバリ、「古都鎌倉への悠久の道」

まず、この氷取沢緑地入り口がスタート地点。

 

「いやいや、そもそもそこがどこだよ!」

 

という声もあるでしょうが、説明するのも面倒くさい場所なので、そこは今回省略させて頂く。

まあ、敢えて言うと、最寄り駅はJR根岸線新杉田駅もしくは京浜急行京急富岡駅だが、どっちから行っても徒歩で45分はかかる。

もちろんバスで行くという手もあるが、ここまで散々徒歩について語っておいて今更バスを勧めるのもどうなのかと思うので、是非そこはよく考えて決めて頂けたらと思う。

ちなみに、スタート地点のこの氷取沢緑地入り口からゴールの鎌倉まで、約8キロ、1万歩強あるのでそこもよく考えた上で決めて欲しい。

 

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因みに私がこの鎌倉への道をお勧めする理由は3つある。

 

1.まるでロールプレイングゲームの中に入り込んだかのようなファンタジー感

2.一歩ルートを間違えると鎌倉には辿り着けず、訳の分からない住宅街に出てしまい、戻れないという恐怖

3.山道だが基本平坦なため、登山のようなぜいぜい感がなく、純粋に「歩く」ことを楽しめる

 

というもの。

 

笹下釜利谷道路から住宅地へ入り、スタート地点である氷取沢緑地入り口へ向かって歩く。

この辺りは実に長閑。車が沢山停まっているのは、恐らくリアイアしたサラリーマン等が土地を借りて農作物を栽培しに来ているのだろうと思われる。

こんな感じで、いよいよ都会を離れ、ファンタジーの世界へ。

まるで死後の世界かと思うような、石畳と木漏れ日。

入っていきなり現実と完全に切り離される。

 

途中、こんな不気味なコンクリート通路を通らないといけない。

貯水池らしき場所に出たら、一見貯水池の回りの金網をぐるぐる回るだけの行き止まりのように見えるが、実は写真で言うと左側に登り坂があり、そこが唯一の鎌倉へ出れるルート。ここはちょっと分かりづらい。

標識など無いから、ある意味あなたの「勘」を信じて進む勇気も必要だ。

この看板が見えたら一安心。もちろん、鎌倉天園を目指すのが正解。

こんな獣道もあるが、恐れず進もう。というか、進むしか道はない。恐れず前に進んでこそ道は開ける。

こんな神秘的な場所も、もちろん当ルート内にある。

これはファイナルファンタジー15の映像だけど、もう殆ど差が無いよね。

そう、ここはファンタジーの世界。

途中でうっすらと遥か向こうに見える富士山。この緑道の凄さ、わざわざ何度も私がここへ来る理由、分かって貰えるといいんだけれど。

鎌倉天園を見下ろす。圧巻だよねもう。

さあ、ゴールの鎌倉は近い。

しかし最後の難関が。

この、天園休憩所の立て札。

これを見たら、左へ折れる。そうしないと天園休憩所へも、鎌倉へも辿り着けない。

ここだけは本当に注意。今までの苦労が水の泡になる。

因みに自分は過去4回位、ルートを誤り鎌倉へ辿り着けなかった。

そうするとあら不思議。山の中に突如現れるオアシス。天園休憩所

余裕があるならここでおでんなりを食って一服していきたい。

何せここまでルート通り順調にきても2時間はかかっていると思われるので。

 

さあ、ここまで来たらもう、後は鎌倉を満喫したらいい。

ベタに鶴岡八幡宮でお参りするもよし。

報国寺で竹林に囲まれ、己の汚く染まった心を浄化するもよし。

 

ただ、一つだけ忘れてはいけない。

この鎌倉は徒歩で訪れたのだという事を。

電車ではない。JR横須賀線ではない。文明の利器ではない、あなたが己の足で、古の旅人と同じように、土を踏みしめ、山を上り、悠久の時を超え降り立った鎌倉の地。

あなたはそこにどんな価値を見出すのだろうか。

 

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最後に

帰りの電車、今日は一つ手前の駅で降りてみる。

区間で言うなら、料金は変わらない。

歩いても、電車に乗り続けても、同じ220円区間。

これが30円でも安くなるっていうのならまだ分かる。でも安くはならない。残念ながら。

では歩くことに意味など無いのではないか。

 

でも私はそう聞かれた時、いつもこう答える。

 

「友よ、歩く意味ならあなたが自分で見つけてください」

 

 

 

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