多分、恐らく、もしかしたらですが、あなたが日頃から「考えが足りない」のは、チョコを食べていないせいかも知れません。
最近、こんな記事を見つけました。
<イタリアのラクイア大学の研究チームは、「チョコレートやココアは、ヒトの認知機能を保護し、様々な認知機能の低下を抑える栄養補助食品になりうる」との見解を明らかにした>
チョコレートやココアの主原料であるカカオ豆に含まれている”フラバノール”は、ポリフェノールの一種で、心臓への血流量を高めたり、血栓を防止したり、細胞損傷を抑えるなどの健康効果が認められている。
イタリアのラクイア大学の研究チームは、学術雑誌『フロンティアズ・イン・ニュートリション』において、ココア豆に含まれるフラバノールがヒトの認知機能にもたらす効果について研究結果を発表し、「チョコレートやココアは、ヒトの認知機能を保護し、様々な認知機能の低下を抑える栄養補助食品になりうる」との見解を明らかにした。
この研究結果によると、フラバノールを摂取した後、情報を一時的に保持して処理するワーキングメモリ(作業記憶)が増大したり、視覚情報の処理が改善するなど、認知能力に有益な効果が、被験者の多くに認められた。また、一般に、睡眠不足によって認知障害を招くことがあるが、睡眠不足の翌朝にココアを摂取した女性には、このような認知障害が起こりづらかったという。
一連の研究結果のうち、とりわけ研究チームを驚かせたのは、「高齢者に毎日、フラバノールを摂取させると、認知能力が改善した」ことだ。注意力、処理速度、ワーキングメモリ、言語能力などの要素において大きな効果があったが、記憶力が低下しはじめている高齢者ほど、その効果は顕著であった。
引用元:Newsweek 「チョコレートは、あなたの脳力をブーストする」との研究結果 より
―クロックワーク・プラネット(シリウスKC)より
「脳をブースト」
なんという素敵な響きでしょう。
これを聞いて私もすっかりチョコの虜になりました。
当たり前の事ですが、脳の栄養素はブドウ糖Only。
炭水化物でもタンパク質でも脂肪でもない、糖分のみ。それが脳の唯一のエネルギー源であり、唯一のごちそう。
なのに、世の中ときたら、やれ「糖分は肥満の元」だの「この甘さでカロリーゼロ!」だのと、まるで糖分を悪者扱い。
そんなんじゃ脳は栄養失調で死んじゃいますよと。
よし、決めた! 毎日、チョコを食べよう。
例え昼飯抜こうと、チョコだけは毎日食べよう。
誰のため? 決まってるでしょう。自分の脳のためです。
朝起きたてだろうと午後の心地よい昼下がりだろうと夜寝る前だろうと、常にどんな脳をフル回転させ、大事な時に「ああ、何であんな行動取ってしまったんだろう」などと後悔しないようにするためです。
いつものように前置きが長くて恐縮ですが、今日は「The Chocolate(明治)」の話。
私がこのチョコの存在を知ったのは、それはもう、かなり前になります。
何よりも衝撃的なのは、そのパッケージ。
もう、何て言うんでしょうね。言葉で表すのが本当に難しいのですが、敢えて言うなら「所有感」でしょうか。
なぜ食べ終えたら捨ててしまう箱にここまでこだわる必要があるのかを、逆に聞きたい位です。
もう、無駄な高級感、過ぎた自己主張。たまりません。けなしてるわけではありません。コンセプトの勝利です。
そう言えばチョコとは関係ありませんが、最近のパソコンソフトは箱に入って売られていませんね。
ただ金払ってダウンロードするだけ。それが例え数万円もするソフトであろうと。こんな無味乾燥でバカげた話がありますか。
箱が意味がない? どうせ捨てるだろう? 一体自分の作った商品を何と心得てるのか。
自分の商品に愛があれば箱が要るでしょう! 誇らしい、あなたの子供でしょう!
あなたは自分の子供にみすぼらしい格好で発表会に行かせるんですか?
すいません、久しぶりのブログなので少し興奮してしまいました。
要するに私が言いたいのは、箱って商品の全てですよねって事です。
客は箱を見て商品を買うんですよ。箱が全てなんですよ。それを、箱なしで売ろうとか、何を考えてるのかと。
コスト削減だ? その分価格に反映だ?
嘘言いなさい。ただめんどくさいだけでしょう。
The chocolate 初心者必見!迷ったらまずはこれを買え!
さて、The chocolateに戻りましょう。
このチョコのコンセプト、「カカオを楽しんでほしい」とか「チョコレート文化」とか、そういう綺麗事じゃないと思うんですよ私は。
この、箱に無駄に金をかけたこの戦略が、多くの消費者に「箱の中身はどうなんだろう?」という興味を純粋に抱かせた。
これがこのチョコの勝因と私は見ている。実際どれくらい売れてるのかは知らないが。
しかし、このThe chocolate 、二つ大きな欠点がある。
一つはバリエーションの多さと、その特徴の分かりにくさ。
そしてもう一つは、言わずと知れた価格である。
ではまず、バリエーションから見ていこう。
The chocolate には、現在8種類のバリエーションがある(今回は諸事情で抹茶は省略)
1.ベルベットミルク(カカオ51%) 濃密な深みと旨味
2.ブリリアントミルク(カカオ55%)可憐に香る
3.ビビッドミルク(カカオ54%) 軽やかな熟成感
4.サニーミルク(カカオ54%) 優しく香る
5.エレガントビター(カカオ70%) 華やかな果実味
6.コンフォートビター(カカオ70%)力強い深み
7,フランボワーズ(カカオ47%) 鮮烈な香り
ぶっちゃけて言わせて貰うと、このバリエーションを文字で見て「あ、私これがいい!」なんて即答できる人がどれだけ居るのか。
多くの人はもう、この時点で無用に混乱する。
しかもパッケージにそれぞれ書いてある説明文。「濃密な深みと旨味」とか「可憐に香る」とか書いてあるんだけど、これがまた混乱に拍車をかける。
例えば「優しく香る」と「可憐に香る」でどう違うのか。「鮮烈な香り」とは何なのか、まったくわからん。
そもそも「可憐に香る」ってどういうことだ。
「可憐に香る」と「優しく香る」の違いのイメージがなんとなくでも付く人間がこの世にどれくらい居ると思っているのか?
それは情報を消費者に伝えているとは言えない。単なる開発者の言葉遊びに過ぎないじゃないか。
白状しよう。私はこのチョコを今まで何度か手にとって買おうと試みた。
しかし、この意味不明なキャッチコピーと、全く何の参考にもならないカカオパーセンテージ表記の前に、2度も買わずに退散してしまったのだ。
あるアメリカの実験結果で、人はあまりに選択肢が多すぎると、「結局、どれも選ばない」という結論に達するというのがあったが、正に私の場合それだった。
なんでもこのThe chocolate 、開発した若手社員が「これじゃ売れない」と反対する上司に対し「あなたの年代がターゲットではない」と反論したという。
その心意気は素晴らしいし、それに対しとやかく言うつもりは私にもないが、個人的に「分かりやすさ」はどんなコンセプトよりも最重要視されるべきものだと思っている。
そういう意味で、このThe chocolate は敷居が高すぎて、今まで手を出すのをずっと躊躇してきた。
だからこそ、私と同じようにこのThe chocolate に興味はあるが、敷居が高すぎると感じて手を出せずにいる人のために、今回鼻血が出るほどチョコを食べ続け、結論を出そうじゃないか。そう考えた。
このレビューがそういう人たちの少しでも役に立てると幸いだ。
1.ベルベットミルク(カカオ51%) 濃密な深みと旨味
個人的に一番オーソドックスで王道。それがこのベルベットミルク。
説明文は「濃密な深みと旨味」
だが、このベルベットミルクを味わって、濃密な深みと旨味を感じられるかはいたって謎。
なにせ一般的な「甘いチョコレート」ではないので、最初の内はチョコの「旨味」がストレートには伝わって来ないのだ。
だが、細かく割ってチビチビと味わっていると、ミルク感が相当高いチョコだという事が少しずつ分かってくる。
そして極めつけは、次で紹介するブリリアントミルク。このブリリアントミルクと交互に食べ比べてみると、双方の違いと個性がよりよく分かってくる。
いづれにせよ、The chocolate シリーズのエース的存在のチョコ。
初心者お勧め度 ★★★★
2.ブリリアントミルク(カカオ55%)可憐に香る
一言で言うと、「ド派手なミルクチョコ」
だがこれも残念ながら、ブリリアントミルク単独で食べてもこのド派手感は伝わってこない。
1のベルベットミルクと食べ比べてみて初めて「可憐に香る」の意味も分かってくる。
だがこの香りがカカオの香りなのかミルクの香りなのかは、チョコにも味覚にも疎い私にはよく分からない。
可憐と言うよりファンキー(黄色だけに)
また、シリーズ中食べていて最も「楽しい」と感じるのもこの、ブリリアントミルク。
The chocolate シリーズで1枚だけ選ぶとしたら、私は多分これを選ぶ。
初心者お勧め度 ★★★★★
3.ビビッドミルク(カカオ54%) 軽やかな熟成感
チョコレートパッケージには青がよく似合う。
正直、これも単独で食べると普通に香りのいいミルクチョコ。
だが驚くなかれ。これも、1のベルベットミルクと食べ比べると、ベルベットミルクが急にくどいチョコに感じてくるから不思議。
そう「軽やかな熟成感」の表現は間違っちゃいない。
ほんのり鼻から抜けてくるカカオの香り。これは食べ比べて分かる爽やかさ。
しかし1と2のような中毒性は感じない。女性に受けそうな、なんとも言えない軽やかさ。
キャプテン翼に例えるなら、ベルベッドミルクが翼くんで、このビビッドミルクは岬くんか。
箱もブルーでシリーズ中一番格好いいし、いいんじゃないの?ビビッドミルク。
初心者お勧め度 ★★★★
4.サニーミルク(カカオ54%) 優しく香る
ミルクシリーズ最後はこのサニーミルク。
コンセプトは「優しく香る」
ぶっちゃけ、ここまで1~3と食べてきてこの、サニーミルクを食べると、香りが4枚とも全く異なる事に逆に驚く。
香りだけなら、ここまでのミルクシリーズで一番個性的でかつ深い。
ただ、チョコとしてどうなのか?という疑問は感じる。
これは香りを楽しむものなんじゃないの?
しかし、香りだけでここまで雰囲気変わるものかね。驚きを感じる。
ただ、個人的意見としては、インパクトはあるが「美味くはない」
初心者お勧め度 ★★
5.エレガントビター(カカオ70%) 華やかな果実味
コンセプトは「華やかな果実味」
まず、その苦さに驚く。これ、子供は食えないでしょ?という位。
ただ、香りと果実感は強烈。そしてジワジワとほんのりと後から来るわずかな甘さ。
カカオ70%はこのシリーズで最も高い数値だが、カカオの味わいが強くなると、こうも香りが強烈になるものかと。
慣れないと薬臭いようにも感じてしまうかもしれない。
しかしこれを書きながら何度もチビチビ今食べているが、口にすればするほど「華やか」
これは噛んで食べない方がいい。舌の中で溶かし転がした方がいい。
そして子供は無理だろう。逆に、大人の気分転換には最適かも知れない。
だが、このThe chocolate シリーズに初めて手を出す1枚目としてはお勧めしない。まったくお勧めできない。
初心者お勧め度 ★★
6.コンフォートビター(カカオ70%)力強い深み
ダーク、そしてビター。それが第一感想。
もう、パッケージのダークブルーからしてポップな味ではない事は想像が付くが、何とも重い。
「力強い深み」のコンセプトそのままという感じ。
5のエレガントビター同様、カカオ度数70だとこの位の苦味と重厚な香りがプラスされると考えるべきなのだろう。
ぶっちゃけ私はチョコやカカオ自体が初心者なので、自分の体がこういうチョコを欲するシーンがまだ想像できない。
ちょっと上級者向け過ぎるんじゃないかと。
くれぐれも箱のシックさに釣られて、最初の1枚目にこれを選ぶことが無いよう、お気を付けを。
初心者お勧め度 ★
7,フランボワーズ(カカオ47%) 鮮烈な香り
ラストはカカオ47%とカカオ度数が最も低いフランボワーズ
コンセプトは「鮮烈な香り」
1~6までとは全く異質の、ベリー系の香りの強さが特徴。
反面、ミルク感やカカオ感はさほどしない。食べやすい。高級感も感じる。酸味もある。
例によって甘さ控えめだが、これは子供でも普通にいけそう。
そして大人だと、この香りは気分転換に使えそう。
初心者お勧め度 ★★★
食べ比べてみた結果
どれもはっきり言って、キットカットのようにバクバク食うようなチョコではない。
じゃあこのThe chocolate はいつ食うチョコなのか。
そこにこのチョコの価値を見いだせる人と、そうでない人との差が生まれるように思う。
多くの人は発泡酒よりビールの方が美味いのは知っている。
だが、それでも今の日本ではビールより発泡酒の方が売れている。
その理由が分からない人など、恐らくいるまい。
そう、価格だ。
ではチョコの場合はどうか。
100円で売られているチョコと250円近くするこのThe chocolate。
それは正に、発泡酒とビールの価格差と同じと言えるのかも知れない。
思えば我々は日々節約生活に追われ、ちょっとした高級感や刺激に触れる事を疎かにし過ぎなのかも知れない。
冒頭で述べたように、人生に糖分は必要不可欠だ。
そしてチョコレートやカカオの有用性も既知の通りである。
ならば私たちはその必要不可欠の栄養素を、ちょっとした至福の時間として取得するのも悪くはないのかも知れない。
少なくとも、私は暫くThe chocolate での糖分補給を続けてみようと思う。
追伸
もしあなたがまだこのシリーズ未経験なら、くれぐれも最初に選ぶチョコ選びは慎重に。
ベルベットミルクかブリリアントミルクから入るのが懸命かと。
いや、両方買って食べ比べるというのが、もっとも正しく賢明な選択かも知れない。