2019年1月31日

その日、ウィング上大岡地下飲食店街は異様な熱気に包まれていた。

そそり立つ怒涛のエビ、サクサクの天ぷら、圧倒的コストパフォーマンス、

全てにおいて日本最強の天丼チェーン店の呼び声高い、あのえびのやが遂に神奈川県、横浜市上大岡ウィングに上陸したのだ。

これをニュースと言わずに何とする!

 

オープン当日、ウィング上大岡地下飲食店街はえびのやの天丼を是非とも食してやろうという群衆で溢れ、大盛況のうちに幕を閉じた模様。

運悪く私は色々と忙しく、未だ来店できてはいないが、近い内に必ずやえびのやの天丼を味わいに行こうと考えていた。

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ところが、である。

どうもGoogleのクチコミレビューを見ると、えびのや上大岡店の評判がイマイチ良くない。

 

「並んだが期待外れ」

「天ぷらがぐちゃくちゃ」

「大きさも小さい」

 

何じゃこりゃ。

もしかしてえびのやは期待外れの天丼店なのか?

神奈川上陸は間違った選択だったのか?

もういい!

その答なら、私が出す。

行って、確かめようじゃないか。えびのやの本当の実力を。

 

というわけで某月某日の月曜日、やって来ました。えびのや上大岡店。

時間はAM11時20分。

まだランチタイムには充分余裕がある時間の筈なのに、えびのやは既にほぼ満席状態。7~8組程の行列ができていた。

「なんだと…」

私は思わず舌打ちをした。

オープン開始より、行列がすごいとは聞いていたが、情報によると営業開始時間はAM11:00。

なのにたった20分で店内がほぼ満席とは…

 

上大岡の住民が、そんなにエビに飢えていたとは…

 

まあそんな事はいい。ここまで来た以上、このまま帰るわけにもいかない。

仕方なく行列に加わり、時を待つ事にした。

すると、前に並んでいた婦人が「入り口の前の紙に名前を書いてから並ぶみたいですよ」と親切にも教えてくれた。

なんと、このえびのや、並んでいるだけでは天丼は食えないらしい。

 

先に名前を書けと!

 

じゃあ、もしそれを知らずに名前を書かずに並んでいた人はどうするんだ!

これだけ行列ができてるんだ。それを知らずに行列に加わる人もいるだろう。

しかも、二人以上で並んでいるなら、途中で気付いて一人が名前を書きに行って戻ってくればいいが、一人で並んでいたらそれもできない。

名前を書きに言っている間に後ろの人に順番を奪われてしまうではないか!

少なくとも店員がたまに行列を見に来て、「紙に名前を書いてから並んでください!」とか大声で言うべきではないのか。ちょっと不親切過ぎだろう!

そう言えばGoogleのレビューでも「オペレーションがなっていない」と書いている人が何人かいた。

オープンからまだ日が浅く、そういったお客様からの声がまだ届いていないのかも知れないが、それくらい客の動きや流れを見ていれば分かる事だろう。

どうも納得いかん。

そんな事を考えていたら、何だかテンションも下がってきた。

何だか期待出来ない不安感が強くなってきてしまい、いっそこのまま帰ろうかとも考えた。

だが、順番が近付くにつれ、店の中のあるものが目に入ってきた。

なんとこのえびのや、ガラス張りの入り口のすぐ近くで天ぷらを揚げているのだ。

これがもう、めちゃくちゃ綺麗な油に大ぶりのエビが次々と投入されていく様子が間近で見れる。

はっきり言って、これはテンションが上がる!

こんな事ができるのは、よほど使っている油に自信があるからなのだろう。

でないとこんな風に客にドヤ顔で天ぷらを挙げる姿など見せたりしない。

私のしぼみかけていたテンションは、再び上がりだした。

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私が注文したのは穴子天丼。

大ぶりの穴子に、エビ一尾、白身魚、半熟卵、季節の野菜が二品入っている。

どうですよ、このボリューム!

はっきり言って、期待外れ所か期待以上の見た目ではないか!

赤だし味噌汁もたっぷり入っていて、これも相当美味い。

添え物のガリもまた美味い!

しかも、このえびのやを有名にしたのは天ぷらだけでない。

もうひとつ、多くの人が他の天丼屋ではなく、えびのやに行く大きな理由がある。それがこれだ。

博多ふくいちの明太子。これが何とテーブルに常備してあり、食べ放題!

これが文句なしに上手い!はっきり言って天丼よr

 

因みに、丼ものメニュー構成は、ざっとこんな感じ。

 

極天丼 1080円
エビ×3 いか、白身魚、半熟玉子、野菜二種

上天丼 980円
エビ×2、いか、白身魚、半熟玉子、野菜二種

天丼 880円
エビ×1、いか、白身魚、半熟玉子、野菜二種

 

尚、極天丼は、きわめ天丼と読むらしい。ごく天丼と注文するとちょっとした恥をかくので注意を。

また、各丼でエビは1尾200円で追加できる。
ただまあ、ただの天丼にエビを1尾追加すると880+200=1080円で、最初からエビ3尾入ってる極天丼と同じ値段になり損をするだけなので、エビを思いっきり食いたいのなら最初から極天丼にしておくのが吉。

まあそれはさておき、天丼を食おう。

ではまず、この巨大な穴子天から。

カリッ、ザクッ、

いい音がする。揚げ方はまずまずだ。衣の硬さも個人的には丁度いい。

丁度いいのだが、ん…?

 

熱くない…

 

揚げたてじゃないのか?これ…

他の白身魚、レンコンも食してみる。

美味い。衣のサクサク感もいい。だが、熱くはない。というか、むしろ冷めている。

え、これ、揚げたてじゃないの?

ランチタイムだから?

でも作り置きにはとても見えない。

そして何より、穴子も野菜も白身魚もイカも、素材自体が相当いいのが分かる。

だから当然マズくはない。ボリュームもある。相当美味い。

だが、だから余計にこの、熱くない天ぷらが気になる。

何でだ? 何で熱くない?

タレにくぐらせたからか? いや、そういう冷たさじゃない。

はっきり言って、これより美味い天丼を食べた事があるか?と聞かれたら、「ある」と答える。つまり、最高とは言い難い。

だが、悔しいかな、美味い。確かに美味い。

そう、えびのやの天丼は、美味いのだ。

こればかりは悔しいが認める。

いい油を使い、いい素材を使っている。それが分かる。

そして、この天丼の冷たさは恐らく、オペレーションの問題と私は判断する。

考えて見れば当たり前だ。ガラス越しに天ぷらを油に投入しているのは、どう見てもまだ若い従業員。

バイトか社員かは別の問題として、彼や彼女らがこの道数十年の熟達した天ぷらオヤジと同等の天ぷらを揚げれるわけが無い。

だが、チェーン店ならば若い従業員が調理するのは、これもまた当たり前の事。

 

よって、また数カ月後に必ずここにまた来たい。

今のままの、熱くない、どちらかと言えば冷たい天丼でも、これだけ美味い。

なら、数カ月後の従業員の腕が上がった頃には、もっと美味くなっているに違いない。

もっと、もっと美味くなれ。

そして、私をもっと驚かせてみろ。

そう、従業員にエールを送り、えびのやを後にしようと思った時だった。

私は大事な事を見落としていた。

 

私が頼んだ穴子丼、メニューをもう一度見直してみる。

入っているもの

穴子、エビ、イカ、白身魚、半熟卵、季節の野菜…

 

エビ、入ってねえ!

 

因みに、写真の真ん中に見える、エビらしきものはエビではなく、白身魚の天ぷら。

 

なんじゃそりゃ!

既に食べ終わった後だが、エビの場合、入っていたかいないかを示す、尻尾という明確な証拠がある。

まさか尻尾まで食べるツワモノはそうはいないだろうし。

店長らしき店員を呼び、

 

「すいません、食べ終わってから言うの、何なんですけど、エビ、入ってなかったんですけど」

 

と言うと、「すいません…エビの分、200円、値引きしますので…」と、私の言い分を素直に認め、謝罪してきた。

まあ、別にエビが入っていなかった事を忘れる位の美味さではあったし、実際自分もメニューを見直すまでエビの事など忘れていたので、「ああ、それでいいですよ」と、寧ろ200円得しちゃった的な気分で素直にその申し出に応じる事にした。

 

すると…

 

レジで連れの妻が会計を済ませ、話を聞くと、何と、私の穴子丼1080円(税込み1166円)分を無料にしてくれたとの事…!

そして「是非また来てください」とのお言葉も貰ったとの事。

 

粋だ!粋過ぎる!

 

まあそれはさて置き、もしまだえびのやへ行った事がない方、また、えびのやという名前自体知らなかった方、是非とも一度えびのや上大岡店へ来店してみて欲しい。譬え並んだとしても、それだけの価値はある。

 

だが最後に厳しい事を言わせて貰う。

えびのや、確かに美味いが、このえびのやは私の食したNo1天丼ではない。

もっと美味くて安い天丼なら神奈川にあるぞ。知ってるぞ。

 

そこは忘れず、精進を期待して、今日の天丼ブロクは終了。

 

えびのや上大岡店

営業時間

AM11:00~22:00(ラストオーダー 21:30)

公式サイト:http://www.fujiofood.com/brand/post/

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