良くも悪くも、私のブログサイトを訪れる人の中で読んでくれる人が多い、いわば私のブログの代表作とも言える記事がこれ。
読んでもらうと分かる通り、独断と偏見で書いて好き放題ランキング付けしている身勝手極まりない記事で、読者から批判や罵倒コメントを貰う率の最も高い記事でもある。
しかしまあ、なんだかんだで私が横浜にかれこれ20年近く住み、暇さえあれば横浜中を徒歩で徘徊しているのもまた事実である。
一つだけ自信を持って言える事がある。私よりも横浜に長く住んでいる人間は沢山いるだろう。私より横浜の地理や歴史に詳しい人も沢山いるだろう。
しかし、私より横浜中を徒歩で徘徊しまくっている人など恐らくそうはいるまい。そう自負できるくらい私はこの横浜を地図と睨めっこしながら日々歩きまくっている。
JR横浜駅から大船駅まで徒歩で行った事だってあるし、何なら横浜から鎌倉市や横須賀市までだって歩いた事もある。横浜駅から石川町駅間などそもそも電車に乗る距離ではないとさえ思っている。無論、それは根岸線に限らず、京浜急行線でも同じ事。何ならブルーライン沿線や東海道線沿線でも同様だ。
そこで今回はJR根岸線沿線でもっとも住みやすい街はどこかに続く第二弾、京急本線(ただし横浜駅から南の市内に限る)でもっとも住みやすい街はどこかを書いてみたいと思う。
ではまず、京浜急行本線(横浜)の駅は以下の通り。
1.横浜
2.戸部
3.日ノ出町
4.黄金町
5.南太田
6.井土ヶ谷
7.弘明寺
8.上大岡
9.屏風ヶ浦
10.杉田
11.京急富岡
12.能見台
13.金沢文庫
14.金沢八景
金沢八景駅の次は追浜駅。ここから横須賀市となる。そういう意味では金沢八景駅が横浜を走る京急本線の終着駅と言えるのかも知れない。
因みにこの金沢八景駅からそれぞれ横須賀市、逗子市、久里浜市、浦賀市、そして三浦市へと行ける。どこも非常に魅力的な街だ。
もしあなたが横浜だけじゃなくて、横須賀や逗子といった神奈川県南部も堪能したいと考えているのなら、アクセスのしやすい立地の10番の杉田から14番の金沢八景までのうちのどこかの駅近郊に住むと良いだろう。
京急線の特徴
京急線の特徴として、以下の3つを抑えておきたい。と言ってもまあ、誰でも利用していればすぐに分かる事だが。
1.快特がビュンビュン
京急線と言えば快特。快特と言えば京急。とにかく京急は快特列車と各駅鈍行列車との格差が激しい。
特にエアポート急行すら止まらない駅周辺で暮らすと「ああ、やっと電車が来た」と安堵したらビュィーンと停まらずにそのまま走り去る快特列車の後ろ姿を恨めしそうに眺める羽目になる。
しかも東横線などの場合は特急→各駅停車→特急といったダイヤ編成だが、京急の場合は特急→快特→各駅停車といったダイヤ編成で来るので、各停しか停まらない駅のお前らその他大勢感がものすごい。
かく言う私もどちらかと言うと特急や快特より鈍行派で、狭い日本そんなに急いでどこへ行くなどと余裕ぶっこいて電車利用する事が多いが、京急の鈍行列車はあまりにも鈍行過ぎて「ええい!こんな遅い電車、乗ってられるかっ!」と痺れを切らして途中で快特や特急に乗り換える事も多い。
そう言えば以前横須賀中央から鈍行で品川まで行った時は、何だかんだで2時間くらいかかった記憶がある。
まあ逆に言えば快特や特急を使えばJRよりも速く目的地に着く事が多いとも言えるが。
2.駅周辺の下町感がものすごい
とにもかくにも京急沿線の街はオシャレ感ゼロ。と言ったらまた色んな方面から苦情が来そうだがこれは事実。
試しに上に上げた14駅の中の横浜と上大岡を除く適当な駅で一度降りてみるといい。どの駅で降りても三丁目の夕日みたいなレトロ感漂う風景に遭遇する事請け合い。
お陰で並走するJR根岸線といい意味での棲み分けが出来ているのかも知れない。別にJR根岸線がオシャレだと言いたいわけではないが。
3.下手すりゃ駅のホームから落ちそう
これも横浜や上大岡、金沢文庫のような大きな駅なら全く問題無い。問題なのは急行すら停まらないローカル駅だ。もう、よく転落事故が起きないなと思う位ホームが狭い駅が多い。これもまた京急線ローカル駅の特徴。
今回は範囲外だが、神奈川駅、仲木戸駅のホームなども本当に狭くて怖い。利用者も気が気ではないのではないだろうか。
しかしJRでは「またか!」と思うくらい頻繁に起こる人身事故も京急線ではなぜか殆ど聞かない。そして列車の遅延もJRに比べて少ない。これも優良鉄道京浜急行のなせる技なのだろう。別にJRが不良物件鉄道と言いたいわけではないが。
これは全くの私見だが、人身事故や電車遅延が多い少ないとホームドアの設置とは全く関係無い話だと、京急線を見ているとそう感じざるを得ない。JRは甘えるな。あと逗子、久里浜方面の運賃をもっと安くしてくれ!
オススメ駅ランキング(偏見)
14位 横浜駅
根岸線のブログでも書いたので大分省略するが、住みにくいとか物価が高いとか以前に、どうもこの京急線横浜駅出口付近は下町と言うかスラム臭が酷く横浜の香りがしない。
と言うか駅を出ても横浜そごうしか見えない。ポートサイド方面に行けばそれなりに開けて横浜らしさが出てくるが、だったら仲木戸駅周辺でいいじゃないかという別のツッコミが出てくる。よって、この駅周辺に住むのは意味なし。というか、住めそうな物件がまず見当たらない。
13位 屏風ヶ浦
駅を出るとすぐに京急ストアがあるがそれだけ。しかも品揃えが悪い上に高い。この街で一体何をどう生活しろと言うのか。
まあ、ここから徒歩15分程でJR磯子駅に行けるので、その周辺で買い物をするようにすれば生活には困らない。が、だったら最初から磯子周辺に住めよとツッコミたくなる。と言うか私なら絶対そうツッコむだろう。
長年に渡り屏風ヶ浦で存在感を見せていたミニストップもとうとう閉業。この街で暮らすなら徒歩平均1時間を厭わない脚力を身に着けよう。歩き回って活路を見出す以外に道は無い。
12位 京急富岡駅
とにかく駅周辺の道が狭い。そのくせ車はバンバン通る。この駅周辺に住んだらまず日々の通勤や通学で車に轢かれないようお参りが必須だ。
しかしそれを厭わないのなら、この駅周辺にはいい店は結構揃ってる。
中でも服のタカハシは個人的にはしまむらをも凌ぐ激安優良衣服店。下階にフィットケアもあるからますます便利。少々歩くが、並木にできたOKストアや業務スーパーなどへも足を伸ばせれば日々の生活がますます充実する事請け合い。
しかしくれぐれも車には注意だ。
11位 戸部駅
京急横浜駅から各駅電車で横須賀方面に向かって1駅目の駅、それが戸部駅。
そう聞くと便利そうだが何とも言い難い微妙な立地。徒歩で横浜駅に向かうのも桜木町駅へ向かうのもどっちも20分以上かかる。これと言った大きなスーパーも商店街も無く、戸部警察署がドーンと眼の前にあるが、だから何だと。ここに住んで一体何をしようと言うのか。住みよい街とは何かについて色々と考えてしまう、そんな街。
余談だが、実は私も昔この駅周辺に住んでいた。にわかには信じがたい話だが食品の買い物はいつも平沼橋を渡り、横浜駅西口ビブレ隣のダイエーまで来ていた。
10位 金沢八景駅
所謂ハブ駅。シーサイドラインも利用でき、逗子、横須賀、久里浜方面の乗り換え駅でもある。八景島シーパラダイスへ行くにも便利。周辺にはイオンあり、飲食店も多数ありと、家庭持ちも一人暮らしの人もなかなか便利。
だが地図をよく見てもらうと分かるが、目の前が国道16号で、後ろが巨大な丘と工場が占めているという、JR磯子駅と非常によく似た立地。そのため非常に息苦しい。夏になれば八景島へ行く観光客の人混みで更に息苦しい。
一応海は目の前でそれなりに景色もいいのだが、所々で見かける工場施設の数々に、横浜とは所詮埋立地と工業地帯なんだと再認識させられてしまう。
住むなら入念な下見をした上で決めた方がいいだろう。
余談だが、この街に私の一押しのオ・プティ・マタンというケーキ屋があるのだが、最初はどうやって行っても工場が邪魔で店に辿り着けず途方に暮れたのを覚えている。結局は近道をしようなどと思わず大回りルートで行くのが正解。死ぬほど坂道を登る羽目にはなるのだが。
9位 日ノ出町駅
言わずと知れた横浜の裏の中心街。WINS横浜あり、無料の野毛山動物園あり、伊勢崎モールありと、まあ良くも悪くも横浜の魅力が詰まった街。かく言う私も昔はこの周辺をうろつき回っていた。
だが、治安は悪い。ガラの悪いオヤジも多い。この街で若い女性の一人暮らしなどもっての他。親が許しても私が決して許さないだろう。
しかしまあ、色々とメリット・デメリットを理解した上で、割り切ってこの街に住むならそれもありか。
因みにこの駅は京急線エアポート急行が止まるので、「フッ、黄金町とは違うのだよ、黄金町とは」という優越感も味わえる。んな事ないか。
8位 上大岡駅
今回の14駅の中で横浜駅に次いで利用者数が多いのがこの上大岡駅。
以前ブログで上大岡についてボロクソに書いて読者からえらい怒られた事があるが、今でもこの上大岡駅周辺が人の住む場所ではないという意見に変わりはない。
詳細は「私が上大岡駅周辺に住むのをお勧めしない理由」の記事に譲るとして、とにかく駅周辺の混み具合が異常。百均などはレジで並んでる客が邪魔で商品すらロクに見れない。京急百貨店のデカさと品揃えはまあ嬉しいと言えば嬉しいが。
要するに私もこの上大岡駅周辺の便利さは十分理解している。ただ住む街ではないと言ってるだけ。
7位 能見台駅
ここは街全体が小高い丘の上にあり、ちょっとした天空都市と言ってもいい感じ。個人的にこういう街が大好きだ。閑静な住宅地だが近隣に巨大なイトーヨーカドーもあり、少し歩けばシーサイドラインも利用できない事もない。
歩道もきちんと整備されており、京急富岡のように車に怯えながら歩く心配もない。小さな子供がいる家庭も安心して住める。
はっきり言って、おすすめの街。だったらもっと順位を上げろという話だが。
6位 弘明寺駅
上大岡駅から横浜方面へ向かう上り普通列車の一駅目。それが弘明寺駅。
駅を降りて少し歩くとすぐに弘明寺商店街があり、アーケード付きのため雨の日でも快適に買い物ができる。
品揃え、店舗数、価格、品質、全てにおいて悪くない。切磋琢磨しあっている感が伝わってくる。中でも食品館あおばの肉の品揃えと安さは一見の価値あり。
また、桜の季節はここから大岡川沿いを関内方面に向かって歩けば横浜随一の桜を堪能できる。
一人暮らしの女性でも安心して住める、いい街。
5位 金沢文庫駅
代表的なベッドタウン。飲食店、スーパー共にまんべんなくあり、物価もそこそこ。京急線も快特、特急、急行と全て停車し通勤通学にも便利。
金沢八景駅のようなゴチャゴチャ感も無く、これと言った欠点の無い駅だが逆にそれがつまらないとも言える。
大きな商店街が無いのもマイナス。OKストアを始めとする安価な巨大スーパーがあるのに何で商店街が必要なのかと言われれば、それは確かにその通りでもあるが。
4位 杉田駅
駅を降りJR新杉田駅へ向かう途中に杉田商店街がある。約300メートルほど続くこの商店街はほぼ全ての店が常時営業し、しかも飲食店、八百屋、雑貨屋、豆腐屋等店種も豊富。しかも価格も良心的な店が多く実に使い勝手の良い商店街だ。これでアーケードが付いていたら完璧なのだが。
京急杉田駅からJR新杉田駅まで凡そ10分ほど歩くと到着でき、移動の利便性も抜群。しかし駅の山側は急坂の丘になっており、比較的安い物件も往々にしてこの急坂もしくはそれを超えた方面である事が多い。
坂道の上り下りが苦にならないならいいが、歩くのが億劫という方は住む場所はよくよく慎重に決めた方が良い。
3位 井土ヶ谷駅
京急沿線の駅にしては下町臭のしない数少ない駅。
立地は相当いい。降りると環状一号線が目の前。一応スーパーやドラッグストア等はあるので住むには困らない。
20分ほど歩けばJR横須賀線保土ヶ谷駅も利用でき、横浜、東京方面に出る際も選択肢が広がりかつ利便性が高い。
欠点は街自体がつまらない事。つまらないだけならいいが車の交通量も激しく、うるさい。
個人的にはお勧めしないが、京急沿線で下町っぽさの少ない、可能な限り中性的な街をお探しならそれは多分ここではないか。
そしてそういう趣味の人が決して少なくない事は私もよく理解している。
ただ個人的にはこの街に住むという選択肢は無い。だったら何で3位にしてんだよって話だが。要するに順位になど大した意味はない。好みの問題なので。
2位 南太田駅
この南太田駅やブルーライン蒔田駅、吉野町駅には横浜らしさをひしひし感じる。そういう意味では1位でもいい位。
大岡川沿いにある巨大な蒔田公園には休日ともなると多種多様な人たちが集まる。これもまた横浜の下町らしさかと思う。
駅前の喫茶店、カッセルカフェも実に時代とノスタルジーを感じる。
各所にある稲荷神社も風情を感じていい。飲食店も多数あり、鎌倉街道沿いには今も活気を感じる。
不満が無いわけではない。駅前のFUJIスーパーは全体的に高いし、それ以外のスーパーへ行くのも若干歩く。しかしそれがいい。
もうこの街に住んだらしばしバスや電車に乗るのをやめよう。時の流れを感じながら、横浜という街を堪能しようではないか。
1位 黄金町駅
かつての黄金町を知る人や、かつてのこの街のヤバさを知っている人なら「は?」と思うかも知れないが、最近はそのヤバさが完全に消え、ごくごく普通の下町になったように思う。
駅を降りれば目の前が大岡川。華麗な桜を始めとする四季を堪能できる。何より街全体がアートしてきているように感じる。
↑の南太田の項でも書いたが、黄金町~南太田近辺は最も横浜を感じる街のように思う。個人的にもこの辺りは好きでよく徘徊している。どこか東京の谷中や浅草といった雰囲気のいい下町の香りさえする。
そして特筆すべきはすぐ近くを伊勢佐木モール商店街が並走している事。
この伊勢佐木モールさえあれば全ての用事が足りる、まさに横浜最強の商店街。しかもこのモールの終点がJR関内駅。
大岡川沿いで四季と下町を感じ、伊勢佐木モールで買い物をし、最終的に関内に到達する。
これが正しい横浜の暮らし方ではないかと、私はそう勝手に感じている。
最後に
横浜と言えば何か。
中華街か。山下公園か。外国人墓地か。あるいはみなとみらい21か。
残念ながら京急本線はそのどの観光スポットも通らないし、かすりさえしない。
だが、観光名所だけが横浜ではない。
京急本線が見せてくれるのは、もうひとつの横浜。そしてそれこそが横浜の本当の魅力なのではないか。
私はそんな風に考えている。
例によって独断と偏見に満ちている記事なので、もしかしたらまた「何も知らないくせに」といった意見も多く頂くかも知れない。
しかし、これが私の知る京急沿線であり、横浜である。あなたの知る横浜とは当然違うし、違って当然だ。
そして、今度の休みの日は、是非とも普段降りない京急沿線の駅で降りて、普段出会わない横浜に向き合ってみるのもまたひとしおではないか。
追伸
「JR根岸線でもっとも住みやすい街はどこか」に「参考になった」とコメントしてくれたえびーたさん、ありがとう。
コメントがとても嬉しかったので、この記事を書きました。
最近は良くも悪くも、コメントが無いと記事を書くモチベが上がらなくなって来ているのかも知れない。
これからも続けていくので、もし良ければまた訪問してくれると私も嬉しい。